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【アメリカ給料明細】グループ生命保険の課税?もらってないのに税金がかかる「◯◯ income」の正体

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給料明細、ちゃんと見たことありますか?
ないって人も多いのでは???

いざ見てみたところで、これ、わかりますか???

給料明細に『GTLI』とか『Imputed Income』ってあるんだけど、これ何?

実は、会社のグループ生命保険で$50,000を超える保障を受けていると、「もらってないお金」に税金がかかるんです。

「は?意味わからない」って思いますよね。

今日は、この「Imputed Income(帰属所得)」という謎のシステムを、超わかりやすく解説します。

目次

よくある3つの「?」

その1:「死亡保険金をもらう時に税金がかかる?」

違います。

死亡保険金は、原則として非課税です。これは別の話。

その2:「自分が払ってる保険料が課税される?」

違います。

あなたが実際に払った保険料の話じゃありません。

その3:「$50,000超えたら、保険料が高くなる?」

違います。

保険料自体は変わりません。でも、税金がかかります。

じゃあ、何に税金がかかってるの?

答え:「会社が無料で付けてくれてる保険の”価値”」

これが「Imputed Income(帰属所得)」です。

具体例で説明します:Aさん(32歳)のケース

状況:

  • 会社のグループ生命保険:$200,000の保障
  • 会社が全額負担(Aさんは1円も払ってない)

IRSの考え方:

「$200,000の保険を無料でもらってるってことは、それって給料もらってるのと同じでしょ?だから税金かけるね」

でも、$50,000までは非課税枠があります。

だから:

  • $200,000(総保障額)
  • -$50,000(非課税枠)
  • =$150,000(課税対象)

この$150,000分の「価値」に対して、税金がかかるんです。

「価値」って、誰が決めるの?

IRS(アメリカ国税庁)が勝手に決めた表(Table I)を使います。

これが「IRS Uniform Premium Table」です。

あなたが実際に払った保険料とは、全く関係ありません。

IRS Uniform Premium Table(Table I)

年齢$1,000の保障あたり、月いくらの「価値」があるか
25歳未満$0.05
25-29歳$0.06
30-34歳$0.08
35-39歳$0.09
40-44歳$0.10
45-49歳$0.15
50-54歳$0.23
55-59歳$0.43
60-64歳$0.66
65-69歳$1.27
70歳以上$2.06

見てください。年齢が上がると、急激に上がってます。
(特に65歳からの振り幅がえぐい。)

実際の計算:Aさん(32歳・$200,000の保障)

ステップ1:課税対象額を出す

  • 総保障額:$200,000
  • 非課税枠:-$50,000
  • 課税対象:$150,000

ステップ2:「みなしコスト」を計算する

$150,000 ÷ $1,000 = 150(単位)

32歳のレート:$0.08 per $1,000

月額「みなしコスト」:150 × $0.08 = $12/月

ステップ3:年間の「帰属所得」を出す

$12 × 12ヶ月 = $144/年

この$144が「Imputed Income(帰属所得)」です。

Aさんは、実際には$144をもらっていません。でも、IRSは「$144分の価値をもらったことにする」んです。

ステップ4:税金を計算する

この$144に対して、以下の税金がかかります:

  • Social Security税(6.2%):$8.93
  • Medicare税(1.45%):$2.09
  • 連邦所得税(税率22%と仮定):$31.68

合計:約$42.70/年

「え、$144の帰属所得で、$42の税金?しかも、実際には1円ももらってないのに?」

はい。これが「Phantom Income(幻の収入)」と呼ばれる理由です。

年齢が上がると、税金が急増する:Bさん(62歳・$300,000の保障)

ステップ1:課税対象額

  • $300,000 – $50,000 = $250,000

ステップ2:「みなしコスト」

  • $250,000 ÷ $1,000 = 250(単位)
  • 62歳のレート:$0.66 per $1,000
  • 月額「みなしコスト」:250 × $0.66 = $165/月

ステップ3:年間の帰属所得

  • $165 × 12 = $1,980/年

ステップ4:税金

  • Social Security税(6.2%):$122.76
  • Medicare税(1.45%):$28.71
  • 連邦所得税(税率24%と仮定):$475.20
  • 合計:約$626.67/年

しかも、Bさんが65歳になったら、レートが$0.66から$1.27に倍増します。

そうすると:

  • 月額「みなしコスト」:$317.50
  • 年間帰属所得:$3,810
  • 税金:約$1,200/年

「え、年間$1,200も税金?実際にはお金もらってないのに?」

はい。だから、年齢が上がると、グループ保険の「隠れコスト」が急増するんです。

もし自分で保険料を払っている場合は?

もしあなたが保険料の一部を自己負担している場合、その金額は「みなしコスト」から差し引かれます。

Cさん(45歳・$150,000の保障・月$20自己負担)

ステップ1:課税対象額

  • $150,000 – $50,000 = $100,000

ステップ2:「みなしコスト」(自己負担前)

  • $100,000 ÷ $1,000 = 100(単位)
  • 45歳のレート:$0.15 per $1,000
  • 月額「みなしコスト」:100 × $0.15 = $15/月

ステップ3:自己負担額を差し引く

  • $15(みなしコスト) – $20(自己負担) = -$5

Cさんの場合、自己負担額が「みなしコスト」を上回っているので、課税所得はゼロです。

つまり、自分でお金を払っている分は、税金がかからないんです。

給料明細(Paystub)とW-2のどこに出てる?

Paystub(毎月の給料明細)

以下のような項目名で表示されます:

  • GTLI(Group Term Life Insurance)
  • Imputed Income
  • Life Insurance Imputed
  • Sec 79

この金額が、月々の「帰属所得」です。

W-2(年末にもらう税務書類)

年間の合計が以下のボックスに記載されます:

  • Box 1(Wages, tips, other compensation):帰属所得が含まれる
  • Box 3(Social Security wages):帰属所得が含まれる
  • Box 5(Medicare wages):帰属所得が含まれる
  • Box 12(Code C):グループ生命保険の帰属所得の合計額

Box 12のCode Cを見れば、年間でいくら「みなし収入」があったか分かります。

誰が税金を払うの?

あなたです。

給料から天引きされます。

会社は、あなたの給料計算の時に、以下のことをします:

  1. 帰属所得(Imputed Income)を計算
  2. その金額を「給料」に追加
  3. Social Security税、Medicare税、所得税を計算
  4. その税金を給料から天引き

だから、実際にはお金をもらってないのに、税金だけ払うことになるんです。

よくある質問

Q: なんでこんなルールがあるの?

A: IRSは、「会社が従業員に無料で何かをあげる」のは、「給料を払ってるのと同じ」と考えるからです。公平性を保つためのルールです。

Q: $50,000までなら税金かからないの?

A: はい。IRC Section 79により、最初の$50,000は非課税です。

Q: 配偶者や子どもの保険は?

A: 配偶者や扶養家族の保険は、$2,000までなら非課税です(de minimis fringe benefit)。

Q: この税金、避ける方法はないの?

A: 実は、3つの方法があるんです。

  1. 保障額を$50,000以下に抑える
  2. 自己負担額を増やして、「みなしコスト」を相殺する
  3. 個人保険に切り替える(ただし、会社負担がなくなる)

Q: 退職したらどうなる?

A: グループ保険は退職と同時に終了することが多いです。その場合、帰属所得も発生しません。

Q: 所得税の控除に使える?

A: いいえ。帰属所得は所得税控除の対象にはなりません。

ここで考えるべき3つのこと

1. その$50,000超の保障、本当に必要?

もし必要保障額が$100,000なら、グループ保険を$50,000に抑えて、残りを個人保険でカバーする方が税金的に有利かもしれません。

2. 年齢が上がる前に、個人保険を検討した?

特に45歳以上の人は、IRS Premium Tableの「みなしコスト」が急激に上がります。個人保険の方が安い場合もあります。

3. Paystubを確認した?

多くの人は、「会社のだからお得でしょ?」で思考停止して、知らぬまに課税され続けてます。

今すぐPaystub(給与明細)を確認してください。

「GTLI」「Imputed Income」の項目があったら、あなたも課税されています。

まとめ:Imputed Incomeの正体

受取の話じゃないんです。
実際の支払いでもないんです。
「無料でもらっていることにされた保険の価値」に、税金がかかっているということ。

これが、グループ生命保険の$50,000超課税(Imputed Income)の正体です。

今日からできることって?

ステップ1:Paystubを確認

  • 「GTLI」「Imputed Income」の項目があるか
  • 月にいくら課税されているか

ステップ2:W-2を確認(年末にもらう)

  • Box 12のCode C
  • 年間でいくら「みなし収入」があったか

ステップ3:必要なら見直す

  • 保障額を$50,000以下に減らす
  • 個人保険への切り替えを検討
  • 自己負担額を増やす

多くの人は、この課税に気づいていません。何なら給与明細すら見ていません。
(そういう私もこの仕事をするまでぜーんぜん知りませんでした。)

でも、知っているだけで、年間数百ドル〜数千ドルの節約になるかもしれません。

次のOpen Enrollment(福利厚生の年次更新)の時、この記事を思い出してください。
ブックマークしておいてもらえるとなお良し。しといてね💛


参考リンク

IRS公式情報

この記事は2026年1月時点の情報に基づいています。税務に関する詳細は、必ず税理士または各会社のHR部門にご確認ください。

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この記事を書いた人

国際結婚15年目、フロリダ在住。二人の男の子ママ。
人一倍感受性強く、好奇心旺盛。でも気にしいで疲れやすいHSP(繊細さん。)
まったくキラキラしていないアメリカ生活で一旦粉々になった自己肯定感。それでも地に足つけて、泥臭く、アメリカでも「自分」を取り戻していくプロセスとその中で得たアメリカ生活のお金の知識(=ライフスキル)をお話ししています。

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